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示談したあとに嘘が分かったら?示談のやり直しはできるか

最終確認日 2026-10-11(公開 2026-10-11)

示談後に嘘が分かったら?のイメージ写真

示談をして、お金も受け取って、やっと区切りがついたと思った。ところが、あとになって「あの話は嘘だった」と分かる。そんなとき、怒りと同時に、「もう終わったことだから仕方ないのか」という諦めの気持ちが湧いてくる人もいるはずです。

この記事では、示談のあとに嘘が分かったとき、やり直しや追加請求ができるのかを整理します。結論を先に言うと、できるかどうかは示談書の書き方と、嘘の中身によって変わります。実際の相談では、嘘が分かった場合だけでなく、示談のあとに相手が争ってきた、約束が守られていなかった、という悩みも多く、どれも示談のあとに集める証拠が分かれ目になっていました。ひとりで判断せず、弁護士に確認することが大切です。

先に結論:書き方しだいで、結果が変わる

  • 示談書の清算条項(これで解決とする、という書き方)の範囲によって、あとからの請求ができるかが変わります。
  • 嘘の内容が重要だったか(回数、期間、相手の人数など)も、判断に影響します。
  • すでに時間がたっていると、時効の問題も出てきます。心配なら早めに弁護士へ。

まず、示談とは何か

示談は、話し合いで解決を決める合意のことです。浮気の場合、合意書(示談書)に、次のような内容を書くのが一般的です。

  • 慰謝料の金額と、支払い方法
  • 接触禁止
  • 違約金
  • 口外禁止
  • 今後は、お互いに請求しない(清算条項)

示談書の中でもとくに重要なのが、清算条項です。これがあると、書かれた範囲の請求は、そこで終わりになります。

「清算条項」の範囲で変わる

清算条項の書き方には、いくつかの形があります。

書き方の例 意味合い
「本件に関し、今後一切の請求をしない」 範囲が広く、あとからの請求が難しくなりやすい
「本書面に記載した事実に関しては、他に債権債務がない」 書面に書いた事実の範囲に限られる
「本書面に記載のない不貞は含まない」 別の不貞は、含まれない形にできる

つまり、示談書に何を書いたか、どの事実を前提にして合意したかによって、あとからやり直せる余地が変わります。後から嘘が判明した場合の扱いは、書き方しだいで変わる、と考えてください。

嘘の種類によって、見え方が変わる

「嘘」といっても、中身は様々です。

嘘が重要な部分だった場合

  • 不貞の回数や期間が、実際よりずっと少なく・短く伝えられていた
  • 相手の人数を偽っていた(ほかにも相手がいた)
  • 示談のときに認めていなかった別の相手がいた
  • 「もう別れた」と言っていたのに、続いていた

こうした場合は、示談の前提がくずれていたと見られる可能性があります。やり直しや、追加の請求が検討されることがあります。

嘘が重要でない部分だった場合

  • 出会ったきっかけや、細かな経緯の違い
  • 金額に影響しない些細な部分

この場合は、示談のやり直しは難しくなることが多いです。

やり直しや追加請求の可能性

示談後に嘘が分かった場合の対応として、次のような道が考えられます。

  1. 示談の前提がくずれたとして、示談のやり直しを求める。 嘘の内容と、示談書の文言しだいです
  2. 示談書の対象外の不貞について、別に請求する。 示談書に、対象を限定する書き方があった場合
  3. 示談書の約束(違約金など)にもとづいて、請求する。 約束が破られていたとき

どの道が使えるかは、示談書の文面と、嘘の中身を照らし合わせて判断することになります。ここは法律の専門的な判断なので、弁護士への確認が必須です。

実際の相談から:示談のあとに起きた3つのこと

示談を済ませたあとの相談は、「嘘が分かった」というよりも、約束が守られていなかった、相手に争われたという形で寄せられることが多いようです。ここでは、状況の違う3つの例を紹介します。

相談の例:示談書にサインしたあとで、相手が「示談は無効だ」と言ってきた

  • 前回の不貞から1年以上たっているため、あらためて請求すると、あらゆる反論が出てくると想定される。
  • だからこそ、いま確実な証拠を押さえることの重要性が高い。
  • 調査の回数は状況しだいだが、まずは最低1回で考える。
  • そのほかの証拠集めは控えめにして、確実な証拠を取ってから可能な限り集めればよい。

ここで大事なのは、示談書があっても、相手が後から争ってくることがあるという点です。示談が有効かどうか、どこまで争えるかは、書面の内容と経緯しだいで、法律の専門的な判断になります。この例のように示談後の関係が続いているなら、書面の効力を巡って争うより、いまの関係を示す新しい証拠を重ねたほうが、次の手が打ちやすくなります。

相談の例:示談書に接触禁止も違約金も入れた。それでもまだ会っている様子

  • まず確認されたのは、示談書に接触禁止と違約金の条項が入っているか。入っているなら、いま連絡を取り合っている証拠が取れれば、証拠を取るハードルは比較的低い。
  • ただし、アカウントだけでは「以前の相手だ」と決められず、請求は少し難しい。
  • 婚姻中の妊娠などが心配なら、成功報酬型の探偵の利用も検討できる。
  • 将来の離婚に向けた準備は、結局のところ、お金の準備(自分名義の蓄え)が効果的。ただし、やり方には慎重さが必要。

違約金の条項があっても、破ったのが誰で、いつ会ったのかを示せなければ、請求にはつながりません。示談書をつくったことで安心せず、条項を使える形の証拠(同一人物と分かる材料、会った日時や場所)を残しておく必要があります。接触禁止の約束と違約金については、接触禁止の約束を破られたときで整理しています。

相談の例:示談書は作らず、内容証明で慰謝料を受け取った。あとから夫の約束違反が分かった

  • すでに相手から慰謝料を受け取っているので、同じ不貞について相手へもう一度請求するのは、原則として難しい。夫が裏でお金を渡していたことが約束違反でも、同じ。
  • ただし、夫が肩代わりした事実は、将来の離婚慰謝料や財産分与で問題になる可能性がある。共有の財産から出していた場合は特に。
  • やり取りの画面は重要な証拠なので、保存する。支払額・時期・お金の出どころも、可能な範囲で確認しておく。
  • 肩代わりするほどなら、いまも関係が続いている疑いがある。そちらの証拠が取れれば、継続していた別件の不貞として、あらためて請求を狙える。

この例の分かれ目は、受け取った分は、その不貞の解決として扱われやすい一方で、その後も続いていたなら、別の問題として考えられる、という点です。受け取った分を取り直せるかよりも、その後に何が続いていたかに目を向ける、という整理でした。ただし、受け取り方や書面の有無によって扱いは変わります。弁護士に、受け取ったときの経緯を含めて確認してください。

この3つの例に共通するのは、示談は「終わり」ではなく、そのあとの証拠が次の手を決めるという点でした。

時効にも注意

慰謝料請求の時効は、損害と加害者を知ったときから3年、不法行為のときから20年です(民法724条)。

示談の後に嘘が分かった場合、「いつ知ったか」が起点として問題になることがあります。ただ、事情によって扱いが変わるので、気づいた時点で早めに弁護士へ相談してください。

内容証明郵便は、時効の完成を6か月猶予する催告として使えますが、内容証明だけで時効が止まり続けるわけではありません。

嘘が分かったとき、まずやること

  1. 示談書を、もう一度よく読む。 清算条項の範囲、対象となる事実を確認する
  2. 「何が嘘だったか」を整理する。 いつ、何を、どう言われていたか。示談の時点でどう伝えられていたか
  3. 嘘を示す証拠を、集める。 LINEや写真、明細など。新たに分かった事実の根拠
  4. すぐに相手へ連絡しない。 警戒されて、証拠を消されたり、連絡を絶たれたりしやすい
  5. 弁護士に相談する。 示談書と、証拠を持っていく

感情的に連絡すると、状況が悪くなることがあります。まずは、冷静に整理する時間をとってください。

次の示談で、同じ失敗をしないために

これから示談をする人にも、役立つ備えがあります。

  • 事実の申告を、書面に残す。 「回数」「期間」「相手の人数」などを、示談書に明記する
  • 虚偽があった場合の扱いを、書いておく。 事実と異なっていた場合は、清算条項の対象外とする、など
  • 対象を限定する。 「本書面に記載の不貞に限る」といった範囲の書き方
  • 違約金を定める。 約束が破られたときの扱いを決めておく
  • 弁護士に文案を見てもらう。 署名の前に必ず

示談書の内容を決める前に、どの事実を前提にするかをはっきりさせることが、あとのトラブルを減らします。

内容証明を送って、相手が分割払いを求めてきた段階で話し合い、示談書と公正証書を不備なく作る、という進め方もあります。書面は2部作って、それぞれが保管します。作成を弁護士に頼むか、自分で進めるかは費用との相談になりますが、行政書士に書類づくりを頼む方法もあります。ただ、相手が支払いを拒んだ場合は、弁護士に切り替えて裁判へ進む人もいます。誓約書との違いや、請求の権利が消える書き方は、誓約書を先に書かせるとどうなるかで整理しています。

示談前に、証拠と事実を固めておく

示談の前に、証拠が十分にそろっていれば、嘘をつかれにくくなります。「何があったか」を示す証拠がなければ、相手の申告を信じるしかなくなるためです。

証拠をいつ、誰に出すかは、示談の進め方に関わります。証拠はいつ誰に出すかも参考にしてください。

証拠の集め方や請求の進め方に迷うとき

嘘を示す証拠が足りない、請求の進め方が分からない。そんなときは、探偵や弁護士に相談するのも選択肢です。探偵は事実の調査と報告を、弁護士は示談のやり直しや請求など、法律の部分を担当します。

探偵は相談が無料の会社も多いので、状況に合わせて話を聞いてみてください。示談書に関わる判断は、弁護士に確認しましょう。

よくある質問

気になるところを、質問ごとにまとめました。質問をタップすると、答えが開きます。

示談書にサインしたら、もう何も言えませんか?

そうとは限りません。清算条項の範囲や、嘘の内容によって、あとから対応できる場合もあります。ただ、判断は専門的なので、弁護士に確認してください。

受け取った慰謝料は、返さないといけませんか?

事情しだいです。示談をやり直すとなれば、扱いが問題になる可能性もあります。先に弁護士に相談して、見通しを確認してから動いてください。

相手が約束を破って、また会っていました。

示談書に接触禁止や違約金の約束があれば、その約束にもとづいて対応を検討できます。約束を破ったことを示す証拠を集めてください。アカウント名だけでは同一人物と言い切れないことが多いので、会った日時や場所、同じ人物だと分かる材料も残しておきましょう。

示談書にサインしたあと、相手が「無効だ」と言ってきました。

相手が弁護士をつけて争ってくる例が、実際の相談にもありました。無効かどうかは書面の内容や経緯しだいなので、弁護士に確認してください。あわせて、いま関係が続いているなら、新しい証拠を確実に押さえることが重要です。

慰謝料を受け取ったあとで、夫が約束を破っていたと分かりました。

同じ不貞について相手に重ねて請求するのは、原則難しいとされます。ただ、その後も関係が続いていれば別の問題として考えられることがあり、夫が肩代わりしたお金は、離婚時の話し合いで問題になる可能性もあります。

示談から何年もたっています。

時効の問題が出てきます。損害と加害者を知ったときから3年が、ひとつの目安です。「いつ知ったか」が重要になるので、早めに弁護士へ確認してください。

まとめ

  • 示談後に嘘が分かっても、やり直せるかは示談書の書き方と、嘘の中身によって決まる。
  • 鍵は清算条項の範囲。何を前提に合意したのかを、示談書で確認する。
  • すぐ相手に連絡せず、示談書と証拠を整理してから弁護士に相談する。
  • 時効もあるので、気づいたら早めに動く。
  • 示談書があっても、相手が争う、約束が守られない、ということは起こる。示談のあとの証拠が次の手を決める。
  • 次の示談では、事実の申告を書面に残し、虚偽があった場合の扱いも書いておく。

信じていたことが崩れるのは、つらいことです。慌てずに、まず手元の書面から確かめていきましょう。

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